1型糖尿病の診断基準と症状は?その種類や原因について

 

糖尿病は大きく分けると2つのタイプがあります。

糖尿病は簡単にいうとインスリンというホルモンの欠損または不足による代謝異常です。

1型糖尿病は体内でインスリンがつくれなくなり、インスリン注射が必要な糖尿病です。

日本では10万人に1人から2人の発症率で、幼い子供に多く発症することから小児糖尿病ともよばれます(大人でも発症します)。

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1型糖尿病の診断基準と症状は?

診断基準

1型糖尿病は血液検査の下記項目で診断します。

  • 血糖値
  • HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)
  • 血中・尿中Cペプチド
  • 血中インスリン
  • 抗GAD抗体(グルタミン酸脱酸酵素抗体)

などで判断されます。
難しいので一つずつみていきます。

●血糖値(基準値 空腹時110/dl未満)

▶︎ 血糖値は食事のタイミングにより、空腹時血糖と随時血糖に分けられます。

▶︎ 何も食べていない時に測る空腹時血糖が126mg/dl以上または食事に関係なく計測した随時血糖が200mg/dl以上糖尿病と診断される血糖値です。

HbA1c(基準値 6.2%未満)

▶︎ 過去1−2ヶ月の血糖値がわかる数値です。

▶︎ HbA1cが6.5%以上だと糖尿病型と診断されます。

▶︎ 貧血や腎不全等の要因でも変化するため注意が必要です。

●血中・尿中Cペプチド(基準値 0.61.8ng/ml

▶︎ Cペプチドの測定で血中のインスリン分泌がどのくらいかわかります。

▶︎ 1型糖尿病の場合、インスリン分泌機能が低下しているためにCペプチドが低値になります。

●血中インスリン(基準値 3.610.2μU/ml

▶︎ インスリンは血糖値を下げるホルモンです。

▶︎ 血液中のインスリン量を測定すると膵臓でちゃんと十分なインスリンがつくられ作用しているか調べられます。

抗GAD抗体(グルタミン酸脱酸酵素抗体)(基準値 5.0U/ml未満)

▶︎ 膵臓にあるGADという酵素を異物とみなして抗体がつくられる場合があり、そのGADに対してつくられる抗体を抗GAD抗体といいます。

▶︎ 抗GAD抗体は陽性か陰性かで示されます。

▶︎ 早期の1型糖尿病の診断や、発症予測、インスリン分泌能力の低下予測が可能

症状

1型糖尿病の症状は突然あらわれることが多いです。

糖尿病の種類によっては、生命に関わる危険な状態になることもあります。

下記のような症状がある場合は、血液検査ですぐに血糖値がわかりますので、内科、できれば糖尿病専門医を受診しましょう。1型糖尿病は小児や若年者に多い病気ですが、あらゆる年齢で発症する可能性があります。

! ! CHECK▶︎このような症状はありますか?
  • 普段よりのどが渇く
  • 頻尿
  • 急激な体重減少
  • 疲れがひどい
  • 意識が遠のく

子供で発症した場合はゴロゴロする時間が増えた、急に意識がなくなるようなことがあった、今までそうではなかったのにひどく疲れていたりダラダラしているようにみえる。
といった症状の後に1型糖尿病だったとわかるケースがあります。

1型糖尿病は、インスリン不足による重篤な高血糖を起こしてみつかることが多いので、いつもと違う状態になった場合や知り合いでそういう方がいれば早期に対応できると良いと思います。

1型糖尿病の種類

糖尿病の患者さんのうち、1型糖尿病は10人に1人もいません。
若い方の糖尿病では1型糖尿病が多いですが、年齢に関係なく発症が見られます。

1型糖尿病では先に書きました『喉が異常に渇く』、『頻尿』、『体重の減少』、『疲れがとれない』、『意識が遠のく』などの症状が急激にあらわれることが多いです。

発症時は進行性のものです。その中でも発症や進展の状況による違いから

●『急性発症1型糖尿病』
●『劇症1型糖尿病』
●『緩徐進行(かんじょしんこう)1型糖尿病』

の三種類に分類されます。

中でも急性発症1型糖尿病が最も頻発する典型的なタイプとして知られています。

CHECK

急性発症1型糖尿病

高血糖の症状が出現してから、生きていくためには、一般的に3ヵ月以内にインスリン注射が必要な「インスリン依存状態」になります。気づくのが遅れると、生命にかかわる糖尿病ケトアシドーシスという急性の危険な合併症をおこす可能性があります。
血液検査では抗GAD抗体などの自己抗体が陽性になることがよくみられます。

劇症1型糖尿病

発症が特に急激なのがこのタイプです。
発熱など風邪のような症状の後、発症して血糖値が上昇することが多く、1週間程度でインスリン依存状態になります。
このタイプは対応が遅れると糖尿病ケトアシドーシスをおこし、生命にかかわる危険な状態となるため、迅速な診断と早急な措置が必要です。

緩徐進行(かんじょしんこう)1型糖尿病

発症直後は食事療法などでも血糖コントロールが可能な事も多いですが、自身で分泌するインスリンは緩やかに枯渇していきます。
当初は2型糖尿病と診断され、時間経過と共に実は1型に罹患していたことが判明するケースもあります。
このタイプでは診断された場合は内服薬ではなく、インスリン治療により膵臓に負担をかけないことが望まれます。

(出典:https://fdoc.jp/byouki-scope/disease/1diabetes/)

1型糖尿病の原因

1型糖尿病は、自分自身のリンパ球が、インスリンを作る場所である膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島B細胞の大半を破壊してしまうことによっておこります。

リンパ球は自分自身の臓器や細胞を攻撃しないのですが、何かのきっかけで自分自身の細胞を破壊してしまうことがあります。このことを『自己免疫』と呼びます。
自己免疫によっておこる病気を『自己免疫疾患』と呼びます。

橋本病、バセドウ病などの甲状腺の病気や、関節リウマチなどは自己免疫疾患です。1型糖尿病の患者は自己免疫疾患(甲状腺疾患など)の合併があることも。

1型糖尿病になるきっかけ

肥満とは関係なく、小児~思春期に多い1型糖尿病。

その原因は正確にはわかっていませんが、因子としてあげられるのは次の2つです。

  • 1型糖尿病にかかりやすい体質を持っている。
  • 何らかの原因でインスリンを作っている、すい臓の一部が破壊される。


多くの場合、夏かぜや風疹、おたふくかぜなどのありふれたウイルスの感染をきっかけにして、その感染がよくなって数週間後に発症します。

1型糖尿病は、先天性の病気でも生活習慣病でもなく、よく遺伝する病気ではないのですがまれに同じ家系内に複数の患者がいることもあります。

HLA (白血球の持つ血液型)がある特定のタイプだとこの病気になるリスクが増加するのは確かですが、増加の程度は欧米白人に比べて非常に低いことが知られています。

自己免疫以外の原因でランゲルハンス島B細胞が破壊されたり消失したりする場合もあるようですが、その実態はまだ明らかではありません。

(出典:https://www.sagaekiminami-clinic.jp/archives/545)

最後に

糖尿病というひとつの病名のなかにも1型糖尿病・2型糖尿病・妊娠糖尿病・境界型糖尿病などのタイプに分かれています。

日本では、生活習慣による糖尿病といわれる2型糖尿病がほとんどです。約1,200万人といわれる糖尿病患者のうち、1型は3%程度ともいわれています。

小児期に発症する糖尿病は1型が多いです。その14歳以下10万人あたりの年間発症率は約1.5人です。

私は肥満ではなくスポ少で毎日何時間も運動をしていましたが、10歳以下で境界型糖尿病と診断されました。私の場合は2型糖尿病型で、インスリンは出ているが効きにくい、インスリン抵抗性が考えられるのではないかと思います。親戚で糖尿病の方がいるので遺伝的要素もあるかと思います。

2型糖尿病は尿検査などで発見されることが多いかと思いますが、1型の場合は早く異変に気付いて病院を受診することが大切ですね。

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